解説 1
パーソントリップ調査には、60,043個のある出発地から目的地までのトリップが含まれています(外出なしの場合を含めると72,104トリップ)。
トリップとは、ある一つの活動の目的のために、出発地から目的地まで単一または複数の交通手段を用いながら移動する一連の動きのことです。 例えば、職場まで働きに行き、帰り道にスーパーで買い物をし、帰宅する場合、トリップ数は以下の3トリップとなります。
- 自宅から職場までの労働を目的とする移動
- 職場からスーパーまでの買い物を目的とする移動
- スーパーから家までの帰宅を目的とする移動
トリップ原単位(グロス)= 外出していない人も含めた、1日のトリップ数の平均値
トリップ原単位(ネット)= 外出した人のみについて、1日のトリップ数の平均値
外出率 = 全体の回答者のうち、調査日に外出した人の割合
表1に松山都市圏全体のトリップ原単位と外出率を示します。
2023松山 | 2007松山 (平日) |
2017仙台 (平日) |
2023熊本 | ||
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トリップ原単位 (グロス) |
全体 | 1.79 | 2.21 | ||
平日 | 1.97 | 2.56 | 2.38 | ||
休日 | 1.60 | ||||
トリップ原単位 (ネット) |
全体 | 2.79 | 2.79 | ||
平日 | 2.72 | 3.03 | 2.86 | ||
休日 | 2.88 | ||||
外出率(%) | 全体 | 64.1 | 79.0 | ||
平日 | 72.2 | 84.7 | 83.2 | ||
休日 | 55.6 |
平日・休日とも、トリップ原単位(グロス)は2を下回っており、平均的には、どこかに出かけて帰宅する2トリップの移動も行いません。 人口全体のトリップ原単位や外出率は休日より平日に高い傾向にありますが、外出する人だけ(ネット)で見ると、休日のトリップ数の方が多いです。 つまり、松山都市圏の人口全体では、休日より平日に外出する人が多いですが、外出した人に限れば、休日の方がより多くの移動を行っています。
過去の調査と比較すると、2007年の松山都市圏パーソントリップ調査では、トリップ原単位(グロス)が2.56、トリップ原単位(ネット)が3.03、外出率は84.7%であり、16年の間にいずれも大きく減少しています。 また、他の都市圏と比較しても、2017年の仙台都市圏パーソントリップ調査、2023年の熊本都市圏パーソントリップ調査に比べて、多くの指標で値が小さいです。特に外出率は10〜15%程度低く、松山都市圏の人々は、外出して活動する機会や移動回数が少ないと言えます。